002 裁断説明


これから洋裁の裁断作業を始める手順を、使う道具も含めて優しく丁寧に説明しますね。焦らずに一つ一つ進めていくことで、きれいに仕上げることができますよ。
使う道具
- 型紙:裁断する際に使用します。襟や身頃などの部分ごとに準備します。
- 文鎮:布を固定するために使います。布が動かないように押さえます。
- 裁ちばさみ:布を裁断するためのはさみです。布専用のはさみを使うと、スムーズに切れます。
- アイロン:生地を整えたり、縫い代を作るために使います。裁断後の布をアイロンで押さえることで仕上がりがきれいになります。
- アイロン台:安定した場所でアイロンをかけるために使用します。
- 接着芯:身頃や襟に使用して、生地に強度やハリを与えます。
- 定規:寸法を正確に測るために使います。特に縫い代の幅を確認する際に役立ちます。
- まち針:生地を固定する際に使います。裁断の前に布を型紙に沿ってしっかり固定します。
1. 裁断を始める前に準備しましょう
- 説明:まず、布を広げて、裁断を始める準備を整えます。型紙を用意し、型紙を布に正しく合わせて配置します。文鎮を使って布が動かないように固定することで、裁断がずれずにきれいにできますよ。
- 裁断バサミはハサミの刃の中間を使って、最後までジョッキンとハサミをかみ合わせず、中間で繰り返し開閉させ、ショキショキという音がするように切ると上手に裁断できます。
説明の場所:00;07;19;29

2. 襟と台衿の裁断
- 道具:型紙、定規、裁ちばさみ
- 説明:襟や台衿を裁断します。バイヤステープは生地を多く使ってしまうので、2枚接ぎにします。4cm幅の型紙で裁断する場合、実際には縫い代を含めて6cmで粗裁ちをする位置を定規を仮に置いて確認しておきます。
バイヤステープはゆがみが出やすいパーツのを考慮して、幅に余裕を持たせて裁断し、クセ取りをした後に、正確な寸法で裁断し直します。

3. 台衿と前身頃を粗裁ちします
- 道具:型紙、定規、裁ちばさみ
- 説明:台衿と前身頃は接着芯を貼るため、型紙の通りに裁断せず、少し大きめにカットします。
このような裁断を【粗裁ち】と言います。
接着芯は接着する熱処理の時に、生地ごと収縮させることがあるので、必ず接着芯を貼る部位は大きめに切って接着芯を貼った後に、正確に裁断するのが基本です。裁断後は中側が表になるように折って、アイロン台へ移動させます。

4. 後ろ身頃の裁断
- 道具:型紙、定規、裁ちばさみ
- 説明:後ろ身頃は型紙の通りに裁断します。衿ぐりの切りにくいところは、文鎮を切り終わった部分に集めてから型紙ごと邪魔な部分を持ち上げて裁断するとやりやすいのでお勧めです。裁断が終わったら中表にして、中央で折っておきます。
- 注意点:後ろ身頃は中央から反転する輪のパーツですが、必ず型紙も輪を反転させ、広げた状態で型紙を作り、裁断も広がった状態で裁断します。
輪で裁断すると、寸法もいい加減になり、早くできるような気がするだけで、結果的に仕上がりも悪くなりつじつま合わせの作業が増大するなどトラブルを誘引してしまう原因になります。

5. バイヤステープを粗く裁断
- 道具:型紙、定規、裁ちばさみ
- 説明:バイヤステープはゆがみが出るパーツなので、生地の自由度を持たせるために、あえて正確に切らず幅を大きめにカットします。75㎝ほどの型紙で2本、6㎝程度の幅で裁断します。
- 注意点:バイヤステープを輪にして裁断するのを散見することがありますが、決してやらないようにしましょう。
歪みが出やすい危険なパーツのバイヤステープほど、広げた状態で裁断をしなければならないと意識を変えていきましょう!

6. カーブ部分や細かい場所の裁断の工夫
- 道具:裁ちばさみ、文鎮
- 説明:襟ぐりのようなカーブ部分は、細かく裁断するのがコツです。ハサミを大きく開いて「ジョキン」と一気に切らず、2~3cmの間隔で「チョキチョキ」と小刻みに切ると、カーブがきれいに仕上がります。布がずれないように文鎮を使ってしっかり固定し、布を持ち上げたりしながら作業すると、作業がしやすくなりますよ。
7. 裁断中にノッチの確認
- 道具:型紙、定規、裁ちばさみ
- 説明:裁断している最中に、合印をノッチで入れることを忘れないようにしましょう。
裁断が終わったら、もう一度型紙をチェックして、ノッチが忘れずに入っているかを確認する習慣をつけるとベストです。
裁断が終わるとつい次の作業をしたくて確認を怠りがちですが、次からの縫製作業がスムーズに進むためにも、合印のチェックは忘れないようにしてください。
ポイントまとめ
- 道具の使い方:文鎮で布をしっかり固定し、裁ちばさみで丁寧に裁断しましょう。ハサミの使い方を覚えると、縫製作業の強い味方になってくれます。カッターでカットするのはあまりお勧めしていません。
- 慎重に作業する:一つひとつのステップを丁寧に進めることで、ミスを防ぎ、美しい仕上がりが実現します。焦らず、ゆっくりと進めてくださいね。
- コツをつかむ:細かいカーブや縫い代部分は少し難しいかもしれませんが、慣れてくるとスムーズに進められるようになります。何度か繰り返して練習することで、さらに上手にできるようになりますよ。
この手順に沿って進めれば、裁断もスムーズにでき、初心者の方でも安心して取り組めます。道具をしっかり使って、丁寧に進めることで、仕上がりも美しくなりますよ。ゆっくりと楽しみながら進めてくださいね。
コメント