006はじめに

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裁断は服作りで一番過酷な作業かもしれません

裁断が嫌いな人へ
裁断が嫌い。
そう言う人は本当に多いです。
でも私は、その言葉を聞くたびに少し違うのではないかと思います。
裁断が嫌いなのではなく、裁断が苦しいのです。
服作りというと、ミシンが難しいと思われがちです。
真っすぐ縫えるだろうか。
カーブは上手く縫えるだろうか。
失敗したらどうしよう。
そんな不安を抱えながらミシンに向かいます。
けれど、30年以上服作りを仕事にしてきた私が、本当に苦しめられたのはミシンではありませんでした。
裁断です。
裁断はやり直しができません。
切った生地は戻らないし、そこで生まれたズレは最後まで服について回ります。
どれほど丁寧に縫っても、どれほど綺麗にアイロンをかけても、裁断で起きた狂いはどこかで顔を出します。
だから裁断だけは手を抜けません。
方法を変えなければいけなかった
私は23歳で起業しました。
その後、3人の娘を育てながら仕事を続けていました。
仕事を止めるという選択肢はありませんでした。
だから、どうしたら速くなるだろう。
どうしたら正確になるだろう。
どうしたら少しでも楽になるだろう。
そんなことをいつも考えていました。
ある時、厚手のワンピースを6着、3日で仕上げる仕事を受けました。
今なら断ります。
でも当時は受けるしかありませんでした。
裁断を始めてすぐに分かりました。
ハサミでは間に合わない。
厚手の生地は想像以上に時間がかかり、2着裁断した時点で、このままでは終わらないことが見えてしまったのです。
必死に追いかけました。
でも結果は高熱。
納期にも穴を空けました。
あの時に学んだのは、もっと頑張ればいいということではありませんでした。
方法を変えなければいけない。
それでした。
床裁断の危険
そこで私は丸刃裁断機を買いました。
これで解決すると思ったのです。
私は床裁断で丸刃裁断機を、初めて使ったのです。
初日に心配されたとおり、コードを切りました。
ショートした瞬間火花が散って、本当にゾッとしました。
慌てて避けた時に左手の人差し指と丸刃が接触し、病院で縫う大怪我になりました。
その時に思ったのです。
これは気を付ければいい話ではない。
床裁断という環境そのものを改善しなければいけない。
生き残るための裁断台
だから裁断台を作ることを決めました。
お金に余裕があったわけではありません。
それでも必要でした。
続けるために。
仕事を守るために。
そして自分が生き残るために。
私は厚さ25ミリのコンパネを買いました。
180センチ×90センチ。
とんでもなく重い板です。
それを自分で車に積み込み、階段しかないマンションの4階まで運びました。
柱も運びました。
材料も運びました。
そして、やったこともない大工仕事で裁断台を作りました。
今思えば無茶です。
でも私の中では自然な流れでした。
困った。
だったら考える。
危険だ。
だったら改善する。
続けたい。
だったら方法を変える。
私は昔から、そうやって生きてきました。
希望のために工夫する
努力は大切です。
でも私は、努力だけでは足りないと思っています。
努力を続けるためには工夫が必要です。
服作りも同じです。
ズレる。
ねじれる。
思ったように仕上がらない。
そんな時に、「私が不器用だから」で終わらせてしまったら、そこで終わりです。
原因を探してみる。
工夫してみる。
試してみる。
すると少し楽になります。
少し楽になると、また続けられます。
そして続けているうちに、また次の工夫が見えてきます。
私は、その積み重ねの中に希望があると思っています。
このマジック講座では、縫い方だけではなく、そんな工夫もお伝えしていきます。
服作りをもっと楽しく。
もっと続けやすく。
そして、もっと自由に。
そのための工夫を、一緒に探していきましょう。






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